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人材マネジメント

人材マネジメント

基本的な考え方

当社グループは、古河電工グループ パーパス「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」を軸とした経営を推進しています。パーパスは、「古河電工グループ ビジョン2030」の実現に向けた全社戦略および経営判断・戦略立案の起点となる概念です。こうした考え方のもと、パーパスの実現に向けた人と組織のありたい姿として「古河電工グループPeople Vision」を位置づけています。多様な人材一人ひとりの成長を当社グループの競争力の源泉と捉え、人材・組織実行力の強化を通じて、個人と組織がともに成長し、持続的な価値創造につなげることを目指しています。

ガバナンス

「人的資本の最大化」は価値創造を持続可能にする経営基盤確立に向けた重要課題であることから、人事戦略の立案・遂行の責任者としてCHROを置くとともに、その内容について経営会議にて討議・決議を行っています。
また、経営課題に直結する個別テーマについては、社長またはCHROを委員長とした委員会を設置し、戦略の策定と活動計画の決定、施策の実行を推進しています。
具体的には、高度な専門性を持つ人材を認定する「プロフェッショナル任用委員会」、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を促進する「DE&I委員会」、労働安全衛生に関する「古河電工グループ安全衛生委員会」を設置・開催しています。こうした業務の執行状況については、取締役会に定期的に報告し、その監督を受けています。

人材マネジメント推進体制

<人的資本に関する主な議論>
取締役会 2018年11月 「People Vision」策定と人事部中期施策
2022年5月 マテリアリティ「人権・労働慣行」追加
2023年3月~2024年3月 「古河電工グループ パーパス」制定
2024年2月 人材・組織実行力(エンゲージメント)強化活動について
2024年12月 25中計における人事施策の取組み状況および方向性
2025年3月 採用力強化の進捗報告
経営会議 2018年10月 「People Vision」策定と人事部中期施策
2020年1月 古河電工グループ人権方針策定
2022年11月 人的資本経営の考え方を踏まえた人事施策の方向性
2023年2月 人材・組織実行力強化活動および人的資本指標開示
2023年6月 社内公募制導入
2023年7月、2024年2月 リスキリング施策導入
2024年4月、8月 退職金制度改定
2024年6月、2025年2月 健康経営の進捗報告
2024年12月 人材・組織実行力強化活動の今年度報告と次年度活動方針
2025年2月 リスキリング施策の活動報告
2025年3月 採用力強化の進捗報告
サステナビリティ
委員会
2022年3月 マテリアリティ「人権・労働慣行」追加
2022年9月~2024年3月 「古河電工グループ パーパス」制定

戦略

当社グループの人材マネジメントは、グループ全体で共有する「古河電工グループ パーパス」および経営方針を基盤としています。一方で、グループ共通の考え方を基盤としながらも、各社の事業特性や地域特性に応じて最適な人材マネジメントを推進しています。
その共通基盤のもと、当社グループでは、経営上の重要課題の一つである「人的資本の最大化」の実現に向け、人材・組織実行力(人と組織のやりきる力)の強化を人材マネジメント戦略の中核に据えています。経営戦略・事業戦略の実行にあたり、対話を通じて個人と組織の成長ベクトルをすり合わせることで実行力を高め、社会課題の解決と「古河電工グループ ビジョン2030」の実現を目指しています。
そのために、必要な人材の確保・育成・配置と、個人の成長を支援する組織づくりを一体的に進め、一人ひとりが能力を発揮しながら成長し続けられる組織風土の醸成に取り組んでいます。これらの取組みを「Will(意欲)」「Can(能力)」「Needs(期待・役割)」の3つの視点で整理し、人材マネジメント施策を推進しています。

3要素(Will・Can・Needs)で整理したありたい姿と具体的な活動

多様な事業内容や市場環境、収益構造を有する当社グループは、戦略遂行に必要な人材を確保・配置するとともに、その成長を組織として支援することで、一人ひとりがやりがいを持って活躍し続けられる組織風土の醸成を目指しています。こうした人と組織のありたい姿の実現に向け、経営上の重要課題の解決に資する人事施策をNeeds・Can・Willの3つの要素で捉え、具体的な活動に取り組んでいます。

Will​ Can Needs​
Willを高める​
個人がその場に魅力を感じ、やりがいを得て、さらに成長し、活躍していく。​
Canを増やす​
組織は、個人が活躍していくための成長を支援し(知識や経験を得る機会の提供)、個人は自律的なキャリアを描き、自ら学ぶ。​
Needsを共有​
組織は、個人が活躍していく場を、役割や機能、組織、取り扱う情報の編成を通じて明確に示し、個人はそれを理解できる。​
ありたい姿​ 具体的な活動・取組み
1)Needsを共有
  • 事業戦略遂行に必要な人材(当社グループが誠実に磨き続けてきた技術力と提案力を活かして、社会課題解決を起点とした事業創出や価値創造に向けて積極的に変革できる人材)が確保されている状態。
  • 公平性の高い人事制度が公正かつ適切に運用されている状態。
  • 事業戦略の遂行に必要な人材確保・育成を目的として、サクセッションプランおよび育成計画の策定・実行に継続して取り組みました。経営人材については、外部アセスメントを活用した人材プールの形成や外部研修への派遣を進めるとともに、育成計画に基づくタフアサインメントを含む計画的な異動を進めています。
  • 事業環境の急激な変化(データセンタ需要の急拡大)に伴う注力領域への人材確保の課題に対し、社内公募制度等を通じた人員シフトに取り組みました。あわせて、注力領域を中心とした採用ニーズに柔軟かつ迅速に対応できるよう、キャリア採用活動の改善を行うとともに、新規入社者の早期戦力化を目的としてオンボーディングの強化に取り組みました。
  • 2026年度のジョブ型人事制度導入に向け、現行制度の分析や制度設計の検討等の準備に取り組みました。具体的には、事業戦略の達成に必要な役割・機能の整理や、職務要件定義書の作成や処遇のあり方の整理を進めました。
  • 「人権・労働慣行」および労務分野に関するリスクについて、人権尊重に対する企業の責任を果たすため、古河電工グループ人権方針に基づいた事業活動の推進、人権デューディリジェンスを実施しています。また、内部通報やコンプライアンス意識調査の結果を分析し、必要な改善策を実施しています。
2)Canを増やす
  • 事業戦略遂行の観点から必要とされるキャリアパスや能力・スキルを明示し、一人ひとりがキャリアゴールを明確に描き、自律的な学びを通じて成長できる状態。
  • 当社グループの技術力と提案力を通じて顧客と共創し、顧客の課題解決と当社グループの収益拡大の両立を実現できる人材が育成されている状態。
  • 従来の階層別中心の教育体系を見直し、より多くの個人が主体的に知識・スキルを獲得できるよう、キャリア自律支援およびリスキリング※に関する取組みを継続しています。
3)Willを高める
  • 個人が当社グループのパーパスに共感し、成長し、活躍し続けたいと思えるようなエンゲージメントの高い組織風土が醸成されている状態。
  • 人の成長・活躍をチームとしての成果へ繋げるリーダーシップが発揮され、チームマインドが醸成されている状態。
  • 多様な個人がパーパスに共感し、能力・技術を発揮し続けられるよう、理念浸透、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進およびエンゲージメント向上に取り組みました。
  • 「チームで成果を上げる」組織の実現を目指し、2020年に定めた「古河電工流上司心得七則(フルカワセブン)」を進化させ、上司に求められる行動様式として整理した「フルカワ・リーダーズコンピテンシー」を策定しました。
※当社グループのリスキリングは、「新規・既存問わず、業務遂行において必要な知識・スキルを自律的に学ぶこと」と定義しています。

リスク管理

人的資本関連リスクおよび機会の管理として、経営上の重要課題の一つである「人的資本の最大化」に関する事項については、リスクの管理にとどまらず、収益拡大等の経営戦略とも密接に関係すると認識しています。
そのため、2022年度より人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ」を毎年実施し、人材・組織の状態を可視化しています。その調査結果を踏まえ、組織課題の設定や改善施策の検討を行うとともに、人的資本に関するリスクおよび機会を特定し、それらへの対応戦略を事業活動に反映するPDSサイクル※を回しています。こうしたプロセスを通じて、リスクおよび機会に関する認識を定期的に見直しながら、各施策の取組みに反映しています。

※PDSサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・See(評価・見直し)を通じて、施策の継続的な改善を図る取組みのサイクルを指します。

指標と目標

人的資本に関する取組みの進捗については、経営上の重要課題の一つである「人的資本の最大化」に資する指標を設定し、継続的に管理しています。
「中期経営計画2022-2025(25中計)」において、2025年度までは人材・組織実行力に関する調査「フルカワEサーベイ」における総合指標である「従業員エンゲージメントスコア」、「管理職層に占める女性比率」、「新規採用者に占めるキャリア採用比率」を管理してきましたが、キャリア採用比率については当初目標値(30%)を達成しており、近年の実績も踏まえ、指標の見直しを行いました。
2026年度以降は、Eサーベイにおける「従業員エンゲージメントスコア」について、人材・組織の状態を捉える指標として引き続き進捗の管理を行います。「管理職層に占める女性比率」および「男性育児休業取得率」については、人的資本に関するリスクおよび機会を直接的に測定するものではないものの、人材マネジメント上の取組みや労働環境改善の進展を通じて現れるアウトカムの一つとして位置づけ、2030年度末までの目標達成に向けて、取組みを着実に推進していきます。

※1 国別・業種別の平均スコアや当社グループのエンゲージメント実績の推移、他社動向等を踏まえ、中長期にわたる改善の実効性を重視する観点から目標を見直しました。2030年度目標は従来の85から81に変更し、85の到達時期は2035年度を目標とします。

※2 事業戦略にもとづく技術系人材の採用拡大とその母集団となる主に理系を専攻する学生の男女構成比の状況等を踏まえ、目標を見直しました。2030年度目標は従来の15.0%から10.0%に変更し、15.0%の到達時期は2035年度を目標とします。

※3 「男性の育児休業取得率=当年度内に育休を開始した人数÷パートナーが出産した人数」としています。産前産後休暇取得者は、育休取得者には含みません。

※4 「新規採用者に占めるキャリア採用比率」指標については、25中計での目標を達成し、近年の実績も踏まえ、経営指標としての管理や目標設定を終了しました。

※5 各年度30%程度を維持することを意味します。

取組み

人材の採用・育成

事業戦略遂行に必要な人材を、「当社グループが誠実に磨きつづけてきた技術力と提案力を活かして、社会課題解決を起点とした事業創出や価値創造に向かって積極的に変革できる人材」と定義しています。こうした人材の中長期的な確保に向けた採用力の強化、また必要な人材を育成するための各種研修・教育機会の提供とともに、経営人材・グローバル人材の育成やリスキリング施策、キャリア自立支援等に取り組んでいます。

人事制度と運用

2021年度に人事制度を改定し、「チャレンジの促進」「シンプル&オープン」「人材育成」をコンセプトとした目標管理制度を運用しています。個々人の目標達成を上位方針の達成や業績向上につなげることを目指して、部・課の方針と個々人の目標管理の連動を強化しています。

また、2025年度には事業戦略に応じた組織と人員配置、外部市場と整合した処遇の実現を目的に、ジョブを起点とした人事処遇制度の導入を開始するなど、取組みを進めています。

従業員エンゲージメント向上

従業員一人ひとりがパーパスに共感し、当社グループで成長・活躍し続けたいと思えるようなエンゲージメントの高い組織風土を醸成することは、人的資本の最大化と持続的な企業価値向上につながる重要な取組みであると考えています。人材・組織の状態を定量的に把握する「フルカワEサーベイ」の結果をもとに継続的な改善活動を進め、特に課題として明らかになった「パーパス浸透の強化」、「管理職のマネジメント力向上」、「事業戦略に即した組織・人材配置の適正化」に取り組み、より働きがいの高い組織づくりを推進しています。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進は、企業成長に向けた人材基盤の強化の重要な要素と位置づけています。女性活躍推進、育児・介護と仕事の両立支援、また障がい者雇用推進や働き方改革等の取組みを推進しています。

安全衛生・健康経営の推進

従業員の安全・衛生について、主に労働災害 、交通事故、疾病等による従業員の死亡、就業不可、障害の残存、長期休業、体調不良といったリスクを認識し、事業継続の大前提として「安全と健康を全てに優先する」との考えから各種施策を展開しています。

また、健康経営を「従業員一人ひとりが身体的・精神的・社会的に良好な状態(well-being)を目指すこと」と定義し、従業員の活力やパフォーマンス向上が組織や企業の成長にもつながると考え、全社一丸となって健康経営の諸施策を推進しています。

人権・労働慣行、労務リスクへの対応

人権・労働慣行のリスクに対して、人権尊重に対する企業の責任を果たすため、「古河電工グループ人権方針」に基づき、人権を尊重した事業活動の推進、人権デューディリジェンスを実施しています。また、内部通報やコンプライアンス意識調査の結果を分析し、必要な改善策を実施しています。さらに、従業員を代表する労働組合とも意識を共有し、リスク防止・低減に向けた対話も行っています。

労務分野におけるリスク低減に向けては、グローバルでは当社グループが進出している各国の法令に基づいた労務コンプライアンスの遵守状況確認のためのチェックリストを作成し、グループ全体での労務リスクを定期的に確認しています。さらに、国内ではグループ会社の人事担当責任者が集い、当社グループにおける人事・労務に関する取組みの方針や課題を共有する場を年2回開催し、連携強化に努めています。

労使の関係(単体)

当社では、労使双方が誠意を持って話し合いを尽くすことを労使対話の基本姿勢としてさまざまな課題を解決するとともに、労使の相互理解に努めています。公式での意見交換の場として、1952年度から70年以上にわたり、年2回の「中央経営説明会」を実施しています。説明会には労使双方の代表者が参加し、事業環境や経営状況、時事的なテーマに至るまで、幅広い事項に関して積極的に意見を交換、情報を共有しています。

また、「人事制度検討委員会」「時短検討委員会」など、就労環境整備を目的とする各種の委員会においても日常的に労使が話し合っています。これらの話し合いを通して、制度の改善やコンプライアンス対応のモニタリング機能強化など、各種の課題の解決に取り組んでいます。

関連データ

株式会社ディ・エフ・エフ, サステナビリティ推進室