当社グループは、「環境ビジョン2050」において「脱炭素社会への貢献」を掲げ、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指しています。事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1,2)の削減や、再生可能エネルギーの利用、工場での省エネ、物流でのCO₂排出量削減に取り組むとともに、気候変動に関する物理的リスク(大雨等)に対する適切な対策を行っています。
こうした取組みを具体化するため、当社グループでは「環境目標2030」において、温室効果ガス排出量の削減目標を掲げています。また、2050年のネットゼロ実現に向けた移行を加速するための中間的なマイルストンとして、2025年10月に「温室効果ガス削減目標2035」を設定しました。これらの目標のもと、着実に取組みを推進していきます。
| 範囲 | 基準年度 | 環境目標2030 | 温室効果ガス削減目標2035 | 環境ビジョン2050 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | 2030年度 | 2035年度 | 2050年度 | |||
| 温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2) | 古河電工グループ(単体+国内グループ会社+海外グループ会社) | 2021年度 | △18.7% | △42% | △63% | ネットゼロ |
| 温室効果ガス排出量削減率(スコープ3) | 2021年度 | △11.1% | △25% | △38% | ||
| 電力消費量に占める再生可能エネルギー比率 | ― | 30% | 50% | 70% | ― | |
なお、当社グループの温室効果ガス排出量ネットゼロ目標はSBTi(Science Based Targets initiative:科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ)に申請し、認定を取得しました。
ニュースリリース:
当社グループの温室効果ガスネットゼロ目標がSBTイニシアティブの認定を取得
~ バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロへ ~![]()
2025年度の当社グループの事業活動における温室効果ガス排出量は、スコープ1は110千t、スコープ2は254千tの合計364千tで、2021年度と比較し43.1%減少しました。なお、当社グループのスコープ1は主にエネルギー起源によるCO₂と、高電圧試験設備に使用されている六フッ化硫黄(SF₆)です。また、バリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3)は、主にカテゴリー1「購入した製品・サービス」とカテゴリー11「販売した製品の使用」が高い割合を占めています。2025年度のスコープ3排出量は合計3,357千tで、2021年度と比較し25.1%減少しました。
(注)
1.温室効果ガス排出係数は環境省の「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」を参照しています。海外の購入電力に係る排出係数は、各国の公的機関が公表する排出係数を使用しています。
2.CO₂以外の温室効果ガス排出量は、IPCCが示す地球温暖化係数(GWP: Global Warming Potential)を使用し、CO₂相当の排出量に換算しています。
3.バリューチェーン排出量(スコープ3)の算定にあたっては、環境省および経済産業省が発行する「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する 基本ガイドライン」に則り算定しています。一部カテゴリーの排出係数は産業技術総合研究所により開発されたLCIデータベース「AIST-IDEA」を参照しています。
4.2025年度の集計対象範囲(環境経営の対象範囲)のうち、古河電池(株)、Shenyang Furukawa Cable Co.,Ltd.、Siam Furukawa Co.,Ltd.、PT Furukawa Indomobil Battery Manufacturingは2025年度の期中に連結対象外となったため、2025年度実績には連結対象期間の実績のみを含んでいます。
なお、第三者検証の対象データについては、2026年3月末現在の連結対象範囲にあわせて集計対象範囲を見直したうえで、第三者検証を受審しています。
当社グループの古河日光発電株式会社は4つの発電所を保有し、水力発電による電力の供給を行っています。日光事業所の電力を100%賄い、銅条製品は水力発電を利用して生産されています。
また、自家発電設備として太陽光発電設備を設置し、発電した電力を自社において利用しています。これまでに、銅箔事業部門、国内グループ会社の古河AS株式会社や古河樹脂加工株式会社の各拠点や、中南米・欧州、アジアの8拠点において、太陽光発電設備を設置しました。さらに、オンサイトPPA方式での太陽光発電設備の導入にも取り組んでおり、これまでに三重事業所やアジアの11拠点で導入しました。
当社グループでは、電力会社が提供する再生可能エネルギー電力メニューの利用または非化石電力証書の購入により再生可能エネルギー由来電力の利用を行っています。国内の製造拠点においては当社の平塚事業所、銅箔事業部門、千葉事業所、横浜事業所、三重事業所において再生可能エネルギー由来電力を利用しているほか、グループ会社の20社においても再生可能エネルギー由来電力を利用しています。海外グループ会社においては北米・南米・欧州およびアジア地域の13社において再生可能エネルギー由来電力を利用しています。
2025年度の電力消費量に占める再生可能エネルギー比率は、おおよそ単体と国内グループ会社の合計で73%、海外グループ会社は35%で、連結合計では52%でした。今後も再生可能エネルギー利用比率向上に取り組むとともに、バーチャルPPA契約の活用による再生可能エネルギーの調達手段の多様化を図っていきます。
TOPICS:再生可能エネルギー由来電力で製造される伸銅品・超電導製品
ニュースリリース:
古河電気工業株式会社とコスモエコパワー株式会社が遠州風力発電所を対象としたバーチャルPPAを締結![]()
当社グループのエネルギー利用割合は燃料が約2割、電気が約8割です。エネルギー使用比率の高い製造工程で省エネルギーに取組み、生産工程の効率化、および高効率機器への更新、エネルギー収支を考慮した機器の高温部の断熱などの対策を実施しています。また、工場建屋や事務所の照明のLED化を計画的に進めています。2025年度は、熱の効率的利用(熱源の見直し、排熱の回収、熱処理炉の運用見直し、遮熱塗装など)、高効率設備の導入(空調機器の運用見直し、空調機・モーター・トランスの更新、燃焼制御システムの導入)、設備の効率的運用に取組みました。その結果、2025年度の総エネルギー消費量は原油換算で280千kLとなり、2020年度と比べて20%減少しました。
2025年度の当社における輸送量は101百万t・kmで、2020年度比で15%減少し、CO₂排出量は15%減少して11.7千t-CO₂eとなりました。輸送エネルギー原単位では、2020年度比で1%の減少となっています。引き続きモーダルシフトの推進、積載率の向上、共同配送の推進に取り組んでいきます。
2019年度からICP (Shadow price)の試算を開始しました。事業部門ごとの排出量を炭素価格によって可視化することにより、脱炭素化に向けて気候変動リスク回避への準備を促しています。
目標に達しない事業部門は、ICPがマイナスとなり仮想の評価損が生じます。逆に目標を達成した場合はICPがプラスとなり仮想の評価益が生まれます。四半期ごとの評価・掲示効果により、目標に達しない事業部門については再生可能エネルギーの導入計画を促進しています。
当社グループは、気候変動に伴う物理的リスク(異常気象、気候災害等)について、全社リスクマネジメントの枠組みの中で管理しています。これらのリスクは、オペレーショナルリスクである「災害・感染症等の影響」の一部として位置づけられており、ISO22301に基づく事業継続マネジメント(BCM)の推進や、事業継続計画(BCP)の策定・見直しを通じて対応しています。
各事業所においては、気温上昇への対応として空調対策を実施するなど、個別のリスク低減にも取り組んでいます。
| 事業所 | 対象 | 対策 |
|---|---|---|
| 平塚 | 大雨 |
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| 日光 | 大雪 |
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当社グループは、脱炭素社会の実現に向け、以下のイニシアチブに参画・賛同しています。
当社グループの日本拠点では、日本電線工業会および日本伸銅協会に所属しています。それぞれの業界団体が策定するカーボンニュートラル行動計画において、業界団体ごとに目標を定めて取り組むとともに、当社グループの方針や戦略との整合を図っています。万が一、業界団体の方針が当社グループの戦略と著しく乖離し、または矛盾が生じている場合には、当該業界団体に対して整合を図るよう働きかけます。なお、その整合が困難な場合には、脱退を含む適切な対応を検討します。
「環境ビジョン2050」の達成に向けて、温室効果ガス排出量削減の取組みを加速させるため、当社グループは「環境目標2030」および「温室効果ガス削減目標2035」を設定しています。これらの目標は、日本政府が示した「地球温暖化対策計画」(2025年2月改定)に沿った内容としています。
また、これらの取組みにあたっては、日本政府の「地球温暖化対策計画」(2025年2月改定)をはじめ、各国・地域の気候変動やエネルギー使用に関する法令・規制および政策の方向性を踏まえて対応しています。国内においては、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」や「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」などの関連法令に基づき、適切に対応しています。
当社グループは、機関投資家を代表するCDPの質問書に対して、2008年度より気候変動について回答しています。CDPサプライチェーンプログラムを活用するお客様への対応としては、説明会などへ参加やセミナーの聴講を行いました。今後も環境情報開示の範囲を拡大し、信頼性を高めていきます。