Environment 環境

TCFD提言に沿った情報開示

TCFD提言に沿った情報開示

当社グループは、気候関連のリスクおよび機会が将来の財務の状況等に重要な影響を与えうると判断し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示を行っています。また、当社グループでは、長期の環境課題を認識し、課題解決に向けた取組みを推進するために「古河電工グループ環境ビジョン2050」を定め、「バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指す」ことを掲げています。この環境ビジョン2050の実現と当社グループの持続的な成長を両立するため、気候移行計画の策定に着手しています。今後も、気候関連の財務情報開示を継続的に充実させ、ステークホルダーの皆様との信頼関係の強化につなげていきます。

ガバナンス 気候関連のリスクと機会に関する組織のガバナンスを開示する。 a) 気候関連のリスクと機会に関する取締役会の監督について記述する。
b) 気候関連のリスクと機会の評価とマネジメントにおける経営陣の役割を記述する。
戦略 気候関連のリスクと機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす実際の影響と潜在的な影響について、その情報が重要(マテリアル)な場合は、開示する。 a) 組織が特定した、短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会を記述する。
b) 気候関連のリスクと機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響を記述する。
c) 2℃以下のシナリオを含む異なる気候関連のシナリオを考慮して、組織戦略のレジリエンスを記述する。
リスク管理 組織がどのように気候関連リスクを特定し、評価し、マネジメントするのかを開示する。 a) 気候関連リスクを特定し、評価するための組織のプロセスを記述する。
b) 気候関連リスクをマネジメントするための組織のプロセスを記述する。
c) 気候関連リスクを特定し、評価し、マネジメントするプロセスが、組織の全体的なリスクマネジメントにどのように統合されているかを記述する。
指標と目標 その情報が重要(マテリアル)な場合、気候関連のリスクと機会を評価し、マネジメントするために使用される指標と目標を開示する。 a) 組織が自らの戦略とリスクマネジメントに即して、気候関連のリスクと機会の評価に使用する指標を開示する。
b) スコープ1、スコープ2、該当する場合はスコープ3のGHG排出量、および関連するリスクを開示する。
c) 気候関連のリスクと機会をマネジメントするために組織が使用する目標、およびその目標に対するパフォーマンスを記述する。

ガバナンス

気候関連のリスクおよび機会については、経営会議および取締役会での議論を経て策定した当社グループの経営上の重要課題「情報をベースとした社会基盤の創出」等に織り込み、経営戦略に明確に組み込みました。この実行体制として、「中期経営計画2022-2025(25中計)」まで気候関連の取組みを担っていた環境部とサステナビリティ推進室を経営企画部に統合(経営企画部サステナビリティ推進室を組成)し、経営戦略として一括で推進しています。なお、サステナビリティ委員会においては、経営上の重要課題の成果指標を定点観測する機能を新たに付与し、温室効果ガス排出量削減等の活動を含むリスクおよび機会への対応状況を確認しています。また、経営上の重要課題については、当社グループの経営に関する重要事項について審議する機関である経営会議において定期的に報告・審議されています。

一方で、引き続き、リスクマネジメント委員会においては、事業等のリスク項目として「気候変動(カーボンニュートラル)」を設定し、サステナビリティ委員会と連携して対応しているほか、物理リスクへの対応はリスクマネジメント委員会の特別委員会である中央防災・BCM推進委員会で自然災害等のリスク発生後の事業継続対策について定期的に議論されています。

また、気候変動関連の業務執行状況は、取締役会に四半期ごとに報告・共有し、取締役会による監督を受けています。

戦略

古河電工グループの気候関連リスクおよび機会の認識

当社グループは、将来の気候変動によるリスクや機会を多角的に把握し、経営判断や戦略策定に反映するため、事業ごとにシナリオ分析を実施しています。2019年度から2025年度までに主要事業のシナリオ分析を完了し、事業ごとに特定した気候関連リスクおよび機会のうち当社グループ全体の見通しに影響を与える可能性があるものは、リスクと収益機会の両面で「古河電工グループ ビジョン2030」の実現に向けた経営上の重要課題に織り込まれています。

シナリオ群の選択

国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照し、2021年度までは「2℃以下シナリオ」と「4℃シナリオ」の検討を進めてきました。2022年度からは、2050年カーボンニュートラルへの取組みを加速するため、環境目標2030を改定し、SBT1.5℃認定にも申請したことに伴い、選択するシナリオを「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」に見直しました。2025年度からは、気候移行計画策定におけるシナリオ分析で使用する「1.5℃シナリオ」と「2℃以上シナリオ」に見直しました。

1.5℃シナリオ
  • IEA World Energy Outlookの NZE
  • IPCC RCP 2.6※
2℃以上シナリオ
  • IEA World Energy Outlookの STEPS
  • IPCC RCP 8.5

※ 1.5℃シナリオにもとづき財務的影響を算定する際、記載されたシナリオのパラメーターが存在しない場合は、記載シナリオに最も近いシナリオのパラメーターを代替として使用しています。

気候関連リスクおよび機会の期間の定義

短期 2028年度まで 経営管理で使用する3年間のローリング期間
中期 2030年度まで ビジョン2030、環境目標2030達成年度
長期 2050年度まで 環境ビジョン2050達成年度

当社グループ全体に影響する気候関連リスクおよび機会

区分 気候関連リスク・機会の項目 発現時期 2030年における事業への影響度
1.5℃ 2℃以上
リスク 移行
リスク
政策・
規制
カーボンプライシング適用によるコストの増加(自社、サプライチェーン) 中~長期 大 小
市場 ・再エネ調達コストの増加 中~長期 大 小
物理
リスク
急性 ・異常気象による大規模災害(大型台風、豪雨、豪雪、落雷)による建物被害
・気候災害等による納入先、調達先のサプライチェーンの寸断
中~長期 小 小
・洪水・渇水による沿岸部工場の操業停止 中~長期 中 大
慢性 ・平均気温上昇による空調コストの増加 中~長期 中 大
機会 市場 ・データセンタの消費電力低減に対する要求の高まりによる関連製品の売り上げ・収益増 短~中期 大 大
・自動車の電動化の進展に伴う軽量化、および高圧対応製品需要増加による売上・収益増 大 中
・再エネの普及、および電力需要増加に伴う基幹系送電網増強、電力ケーブル需要増加による売上・収益増 大 中
製品およびサービス ・カーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミー対応要請に伴う低・脱炭素化製品、リサイクル製品の要求増による販売増 中~長期 大 中
・次世代エネルギー導入拡大に向けた技術開発 長期 ― ―
・光電融合導入拡大に向けた技術開発 長期 ― ―

気候関連リスクおよび機会への対応戦略

移行リスク – カーボンプライシングへの対応

気候変動リスクのうち移行リスクとして、自社やサプライチェーンにおいて炭素税や排出量取引制度等のカーボンプライシングが適用されることにより製品製造時のコストが増加する可能性があります。

これらのリスクに対応するため、環境目標2030および環境ビジョン2050に脱炭素目標を定め、温室効果ガス排出量の着実な削減を推進しています。2024年11月には環境ビジョン2050を改定し、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを目指すことを目標に掲げています。また、当社グループの温室効果ガス排出量(スコープ1、2並びにスコープ3)削減目標はSBTイニシアチブ(SBTi)のガイダンスにもとづいており、認定を取得しています。

  • 事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の削減
    当社グループの収益機会として注力する「データセンタ領域」「再エネ・HVDC領域」の2つの領域においては、市場拡大に伴う製品需要の増加に対応するため供給能力の増強が予定されていますが、それに伴い温室効果ガス排出量(スコープ1、2)が増加し、カーボンプライシングの影響によるリスク増大が懸念されます。温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の削減は、2050年ネットゼロに向けたロードマップを策定し、取組みを推進しています。
    経営上の重要課題「情報をベースとした社会基盤の創出」等による事業成長に伴い、温室効果ガス排出量(スコープ1、2)が一定程度増加することが見込まれるのに対し、経営上の重要課題「労働生産性の向上」に対する施策において工場の次世代化や設備の自動化により、労働生産性の向上のみならず、エネルギー効率の向上やエネルギー利用の最適化による一定の温室効果ガス排出量削減効果を見込んでいます。さらに、2050年ネットゼロの達成に向けて、スコープ1、2の目標達成には、工場の省エネや燃料転換を進めるとともに、再生可能エネルギーの積極的な利活用が不可欠であり、再生可能エネルギーの利用比率向上に向けた取組み(水力発電の活用、太陽光発電設備の設置、再生可能エネルギー由来電力の導入)を進めています。

事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2) 2050年ゼロへのロードマップ

  • バリューチェーンの温室効果ガス排出量(スコープ3)の削減
    当社グループのバリューチェーン排出量(スコープ3)のうち割合の高いカテゴリーは、カテゴリー1「購入した製品・サービス」およびカテゴリー11「販売した製品の使用」です。このうち、カテゴリー1については、当社グループ製品の原材料として使用量の多い「銅」「アルミ」「樹脂」をターゲットとし、「自社における削減努力」と「供給パートナーに対する働きかけ」の両面からアプローチを行っています。
    自社においては、新材料使用量を削減し、再生材の活用を推進しています。これまでにも当社グループの強みである「メタル」および「ポリマー」の技術力を活かし、リサイクル材を使用した製品の開発、製造および販売を行ってきました。2025年度には、リサイクルや省資源化技術の研究開発を行うハブとしてサーキュラーエコノミーデザインセンターを設置し、研究開発の取組みを推進しています。
    供給パートナーに対しては、温室効果ガス排出量の算定および削減の働きかけを行い、CSR調達ガイドラインに基づく自己評価調査票(SAQ)とあわせて実施するアンケートにより、購入製品に係る排出量データの把握に努めています。さらに、原材料である「銅」「アルミ」「樹脂」の供給パートナーのうち当社グループへの供給量の多いパートナー※と対話を行い、気候変動に対する取組みについて意見交換を行っています。

※ 当社グループでは、お取引先様を、価値を共創する「パートナー」とお呼びしています。

移行リスク – 再エネ調達コスト増加への対応

当社グループで利用している再生可能エネルギーの大部分を、再生可能エネルギー電力メニューの利用および電力非化石証書の購入が占めています。これらの手法は、比較的柔軟に調達可能である一方、社会全体での脱炭素化の進展に伴い需要が増加することで、価格上昇や調達困難となるリスクがあると認識しています。加えて、温室効果ガス(GHG)プロトコルの改訂に向けた議論の中では、証書利用に関する同時同量性や供給可能性といった観点が示されており、従来の手法による温室効果ガス排出量削減の取扱いに関する考え方が見直される可能性もあります。
こうした外部環境の変化を踏まえ、当社グループでは、製造拠点を置く国・地域におけるエネルギー政策や制度、再生可能エネルギーの需給動向、国際的な基準改訂の議論状況等を継続的に把握し、価格変動リスクや制度変更リスクに適切に対応できる体制の整備を進めています。事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2)の削減に向けては、エネルギーコストの中長期的な安定性や事業特性との整合を考慮しつつ、再エネ調達ポートフォリオの多様化を検討しており、2030年以降を見据えて、再生可能エネルギー電力メニューおよび電力非化石証書への依存度を段階的に低減し、水力発電・太陽光発電を中心とした自社設備の活用や、風力発電等を対象としたPPAの活用を組み合わせていくことを想定しています。こうした背景を踏まえ、25中計の期間において「データセンタ領域」および「自動車電装システム領域」の一部製造拠点においてはPPAによる太陽光発電を導入しています。
引き続き、古河日光発電(株)の水力発電設備や各製造拠点に設置した太陽光発電設備の安定的な運用を継続するとともに、PPAを含む多様な再生可能エネルギー調達手法について、事業戦略との整合や財務面での影響を踏まえながら、検討・準備を進めてまいります。

物理リスク – 異常気象、気候災害への対応

世界の気温上昇に伴いリスクが高まる気候関連災害による操業停止やサプライチェーン寸断等のリスクは、全社リスクマネジメントにおいてオペレーショナル視点のリスク「災害・感染症等の影響」として管理されています。全社リスクマネジメント体制のもと、ISO22301による事業継続マネジメント(BCM)の促進や事業継続計画の策定・ブラッシュアップ等の施策を推進しています。

気候関連機会への対応

2026年度以降の価値創造戦略において、当社グループはデータセンタ関連市場を重要な収益機会と捉えています。加えて、より長期的な収益機会として、脱炭素および電力レジリエンス強化に伴う送電インフラの需要の増加を捉えています。これらの収益機会には、気候関連で拡大する機会の考え方が包含されており、事業戦略の中で対応しています。データセンタ領域においては、データセンタの低消費電力化に貢献する製品として、当社グループの高出力・低消費電力技術を活かしたファイテル製品や光ファイバ・ケーブル製品、GPU等の高発熱化に対応するサーマル製品や高密度化に対応するAT製品を気候関連機会として認識しています。また、再エネ・HVDC領域においては洋上風力向け海底ケーブルシステムおよび直流送電システムを、新事業領域においてはエネルギー問題を解決する革新的な技術として核融合発電における超電導製品やグリーンLPGも気候関連機会として捉えています。
これらの機会において、主要顧客との共創関係の構築にあたり、顧客のカーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーへの対応要請にも確実に応えることで、当社グループへの信頼感の醸成と競争優位性の確保・向上を図っていきます。
当社グループでは、製品のライフサイクル全体を総合的に評価し、環境負荷の低減に寄与する、または良い環境影響を与える製品・サービスを「環境調和製品」と定義し、登録件数および売上高比率の拡大に取り組んできました。2026年度以降は、製品のカーボンフットプリント算定を行い、その低減を目指す「環境配慮設計」の取組みへと転換します。これにより、製品のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に把握するとともに、製品の特性や顧客の要求水準に応じた設計・材料・製造プロセスの改善を可能とし、自己宣言型の環境主張にもとづく取組みから、顧客視点での製品の環境性能向上に向けた取組みへと進化させていきます。
成長分野への取組みを推進するにあたり、当社グループでは、日本国内のGX戦略における成長志向型カーボンプライシング構想を踏まえ、経済産業省やNEDO等によるGX投資関連補助金の活用についても検討しています。これにより、脱炭素化に資する設備投資や技術開発を進めながら、資金負担の軽減や投資効率の向上を図ることを想定しています。あわせて、当社グループはGXリーグに参画し、排出量取引制度を含むカーボンプライシング関連政策やエネルギー・環境分野の制度動向を継続的に注視しています。これらの動向を踏まえ、気候関連リスクと機会を一体として捉え、事業機会の創出とリスク低減の両立を図っていきます。

リスク管理

気候関連リスクおよび機会の特定

気候関連リスクおよび機会の特定にあたっては、事業ごとにシナリオ分析を実施しており、事業戦略および計画をベースラインとして、Step1~Step3のプロセスで行っています。まず、Step1では「外部情報」と「内部情報」を参考に、当社グループのみならずバリューチェーン全体での気候関連リスクと機会の項目リストを作成します。Step2では洗い出した項目に対して、「当社グループに与える影響度」を点数化し、優先順位をつけます。Step3で、優先度の高い項目を気候関連リスク・機会の項目として特定します。特定した気候関連リスク・機会の項目は1.5℃シナリオや2℃以上シナリオにおける影響パラメーターを用いて、2030年度における事業への影響度評価を行います。事業ごとに特定した気候関連リスクおよび機会は、当該事業領域を管掌する領域長のほか、CSOおよびCGOに報告されています。
なお、2026年度以降の価値創造戦略の策定に伴い、「外部情報」および「内部情報」を最新の情報に更新し、環境ビジョン2050に掲げるネットゼロ目標達成に向けた気候移行計画の策定において事業ごとのシナリオ分析を再実施し、気候関連リスクおよび機会の見直しを行っています。

気候関連リスクおよび機会の管理

「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2ならびにスコープ3)」および「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」は、ビジョン2030実現に向けた経営上の重要課題「情報をベースとした社会基盤の創出」に関連する指標として、サステナビリティ委員会にて指標の進捗状況と対応策をフォローしています。気候関連リスクのうち自社にかかるカーボンプライシングによるリスクの管理にあたっては、インターナルカーボンプライシング(Shadow price)を活用しています。2019年度から事業部門ごとの温室効果ガス排出量を炭素価格(2025年度は2万円/トンCO₂eを適用)によって試算し、四半期ごとの評価・掲示により、気候変動リスク回避への準備を促しています。また、2023年度より、各事業部門が温室効果ガス排出量目標に対して未達成となった場合、再生可能エネルギー調達コスト増加分を各事業部門で負担するルールを定め、目標に達しない見込みの事業部門に対しては、再生可能エネルギーの導入計画の策定を促しています。

全社経営戦略・全社リスクマネジメントへの統合

当社グループは、パーパスにもとづくサステナビリティ経営を実践するにあたり、気候変動を含むサステナビリティ関連リスクおよび機会を踏まえ、ビジョン2030実現のための経営上の重要課題を特定しています。また、当社グループの全体のリスク管理において、「気候変動(カーボンニュートラル)」を経営視点のリスク項目として掲げています。

指標と目標

環境ビジョン2050、環境目標2030

古河電工グループ環境ビジョン2050

環境ビジョン2050では、環境に配慮した製品・サービスの提供および循環型生産活動を通じ、バリューチェーン全体で持続可能な社会の実現に貢献することを掲げています。「脱炭素社会への貢献」としては、バリューチェーン全体で温室効果ガス排出量ネットゼロを⽬指します。

古河電工グループ環境目標2030

環境ビジョン2050の実現に向けたマイルストンとして環境目標2030を設定し、「脱炭素社会への貢献」として2030年目標を掲げています。

(1)事業活動における温室効果ガス排出量(スコープ1、2) :2021年度比42%以上削減
(2)バリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3):2021年度比25%以上削減
スコープ1:自社工場・オフィスからの直接排出
スコープ2:自社が購入した電力、熱などの使用による間接排出
スコープ3:スコープ1、2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

TOPICS:SBTイニシアティブの認定取得(2026年7月)

当社グループの温室効果ガス削減目標は、SBTi(Science Based Targets initiative, 科学的根拠にもとづく目標設定イニシアティブ)の認定を取得しています。2023年8月には、2030年度までの短期SBT1.5℃目標について認定を取得し、2026年7月には、2049年度までの温室効果ガス排出量ネットゼロ目標、長期目標および2035年度までの短期目標について認定を取得しました。これらの目標は、パリ協定※が目指す「世界の平均気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑える努力をする」ことや、2050年頃までの温室効果ガス排出量ネットゼロの実現に向けた国際的な気候科学と整合するものとして、SBTiより認定されたものです。

※パリ協定:2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において採択された、2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際的な協定。

25中計におけるサステナビリティ指標・目標の実績

25中計においては、収益機会のマテリアリティ「社会課題解決型事業の創出(環境配慮事業)」のサステナビリティ指標として「環境調和製品売上高比率」を、リスクのマテリアリティ「気候変動に配慮したビジネス活動の展開」のサステナビリティ指標として「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)」および「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」をそれぞれ設定し取り組んできました。
「環境調和製品売上高比率」の向上にあたっては、2022年度以降、4つの認定分類※のうち、主に「地球温暖化防止(温室効果ガス排出の低減および吸収・固定に寄与する機能を有する製品)」に分類される製品の登録を進めた結果、2025年度の目標を達成しました。
「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)」および「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」については、主に再生可能エネルギーの導入を進めました。導入した再生可能エネルギーは、電力会社が提供する再エネ電力メニューへの切り替えと非化石証書の購入が中心です。特に「データセンタ領域」および「再エネ・HVDC領域」に関連する事業での再生可能エネルギーの導入が進み、当該領域向け製品の一部製造拠点では消費電力の100%再エネ化を達成しています。これらの結果、「温室効果ガス排出量削減率(スコープ1、2)」および「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」の2025年度目標を大幅に達成しました。
「温室効果ガス排出削減率(スコープ3)についても2030年目標を目指して削減施策を進めた結果、順調に削減を進めています。

※当社グループの環境調和製品は、「地球温暖化防止」「ゼロエミッション」「環境影響物質フリー」「省資源」の4つの分類のいずれかに該当します。

2026年度以降の指標・目標

2026年度以降も、環境目標2030に掲げる「温室効果ガス排出量削減率目標(スコープ1、2ならびにスコープ3)」、および「電力消費量に占める再生可能エネルギー比率」を指標に設定し、2030年時点で温室効果ガス排出量をスコープ1、2は2021年度比42%削減、スコープ3は同年度比25%削減、再生可能エネルギー比率は50%以上を目指します。
これらの指標は2025年度実績において環境目標2030の水準に到達しましたが、2026年度以降の事業成長に伴う排出量の大幅な増加の可能性や温室効果ガス(GHG)プロトコル改正議論の状況を鑑み、2030年度目標を据え置いています。一方で、環境目標2030の水準に到達後も、引き続き環境ビジョン2050の達成に向けて着実に温室効果ガス排出量の削減および再生可能エネルギーの導入を推進するために、2030年度より先のマイルストンとして2035年度目標である「古河電工グループ温室効果ガス削減目標2035」を設定しました。

指標
★:25中計サステナビリティ指標
範囲 基準年度 実績 目標 ビジョン
2024年度 2025年度 2025年度 2026年度 2030年度 2035年度 2050年度
★温室効果ガス排出量削減率
(スコープ1、2) ※1
グループ 2021 △34.8% △43.1%※3 △18.7% △23.4% △42% △63% ネット ゼロ
温室効果ガス排出量削減率
(スコープ3)
グループ 2021 △8.8% △25.1%※3 △11.1% △13.9% △25% △38%
★電力消費量に占める再生可能 エネルギー比率 グループ ― 39.6% 52.2%※3 30% 34% 50% 70% ―
★環境調和製品売上高比率 ※2 グループ ― 74.0% 72.1% 70% ― ― ― ―

※1当社グループが排出する温室効果ガスは、主にエネルギー起源による二酸化炭素(CO₂)と六フッ化硫黄(SF₆)です。

※2「環境調和製品売上高比率」指標については、25中計での目標を達成し、経営指標としての管理や目標設定を終了しました。今後は自己宣言型の環境主張にもとづく取組みから、顧客視点での製品の環境性能向上に向けた取組みへと進化させていきます。

※32025年度の集計対象範囲(環境経営の対象範囲)のうち、古河電池(株)、Shenyang Furukawa Cable Co.,Ltd.、Siam Furukawa Co.,Ltd.、PT Furukawa Indomobil Battery Manufacturingは2025年度の期中に連結対象外となったため、2025年度実績には連結対象期間の実績のみを含んでいます。

温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3)実績

バリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3) 単位 範囲 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
スコープ1 CO₂ 千t-CO₂e 単体+国内グループ会社+
海外グループ会社
121 116 105 96 93
SF₆ 7 37 42 12 17
千t-CO₂e 128 153 147 108 110
スコープ2(マーケット基準) 千t-CO₂e 512 418 346 309 254
スコープ2(ロケーション基準) 千t-CO₂e 533 485 461 455 455
スコープ1、2(マーケット基準) 640 571 493 417 364
スコープ3 上流 カテゴリー1:購入した製品・サービス※ 千t-CO₂e 単体+国内グループ会社+
海外グループ会社
1,829 1,855 1,820 1,605 1,609
カテゴリー2:資本財 134 154 137 136 199
カテゴリー3:スコープ1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動※ 123 110 102 97 99
カテゴリー4:輸送、配送※ 207 323 211 222 232
カテゴリー5:事業から出る廃棄物 22 18 16 18 21
カテゴリー6:出張※ 57 12 13 7 6
カテゴリー7:雇用者の通勤 24 24 25 24 23
カテゴリー8:リース資産 7 9 6 9 9
下流 カテゴリー9:輸送、配送※ 千t-CO₂e 141 9 23 21 21
カテゴリー10:販売した製品の加工 17 16 14 18 15
カテゴリー11:販売した製品の使用※ 1,575 1,587 1,482 1,682 957
カテゴリー12:販売した製品の廃棄※ 57 63 81 92 41
カテゴリー13:リース資産 4 4 3 4 5
カテゴリー14:フランチャイズ ― ― ― ― ―
カテゴリー15:投資※ 283 274 267 152 120
千t-CO₂e 4,480 4,458 4,200 4,087 3,357
スコープ1、2(マーケット基準)+スコープ3 5,120 5,029 4,693 4,504 3,721

※2023年度に算定方法を見直し、2021年度に遡って再計算しました。

関連データ

株式会社ディ・エフ・エフ, サステナビリティ推進室, 環境部